畑 健二郎
Vol.268 /2009/12/30
【きっと良い一年になりますように】
上の四コマは2009年内に締切があった最後の仕事です。
強烈な眠気と疲れの中、意識朦朧としながら描きました。
自分で改めて読み直してみても、なにかそのおかしなテンションが
にじみ出ている気がします。
てなわけでどうも畑です。
ホント、色々なことがあった2009年でした。
この漫画も気が付けば6年目。
思えば遠くにきたものだ。
今年は年の最後に、二人のスタッフさんが
後藤君や高田くんに続き、
自分自身も漫画家になるために
この仕事場から旅立って行きました。
その内の一人はこの漫画を
8話目から手伝ってくれていたスタッフさんだったので
なにかこう、ちょっと感慨深い気持ちになりました。
初めて会った時、彼は随分と若くて
描く漫画はとってもアイディアと才能に溢れた
素敵な漫画なのだけど
背景の描き方がほとんど分かっていなくて
当時手伝ってくれていたMAEDAXこと前田くんが
パースの基礎からコンコンと教え込んでいました。
(ちなみに前田君はプロのアシスタントとしては恐ろしく有能で
もの凄い技術の持ち主なのですよ)
よくよく考えれば
全く見知らぬ人をスタッフとして雇い
手伝ってもらった初めての人でした。
全くお金がないから編集さんや兄貴からお金を借りつつ
今よりも打ち切りに怯え
毎週、手探りで漫画を描いていた
そんな頃からのスタッフさん。
だから余計にこう、センチメンタルな気持ちになるのかも。
寂しいような、嬉しいような、複雑な気持ち。
まぁ、これは彼だけではなく
気心の知れたスタッフが辞めていく時には
いつも感じることだけど。
長く連載を続けることによって
初めて知ったことがあります。
たとえばファンレター。
昔、毎週のようにファンレターをくれていた人がいました。
連載開始当初、毎週送られてくるその人からのファンレターは
僕にとって数少ないファンレターだったから
毎週、結構楽しみに読んでいました。
そういう熱烈な読者というのは
作家にとって大きな心の支えになるものです。
けど、ある時からパッタリ来なくなり、
それっきり。
きっと僕がその理由を知ることは一生ないだろうし、
もう彼はこの漫画を読んでくれていないのかもしれません。
色々な意味で
寂しかったり、心配になったり
そして、今まで応援してくれて
本当にありがとうという気持ちもあります。
あの彼が今でも楽しんでくれる漫画を
僕が描けていれば良いのだけれど。
今でも毎週、楽しみにしてくれているなら
嬉しいのだけど。
なんだか年の瀬だからなのか
一人で仕事をしていると
ちょっと昔のことを思い出します。
色々なことがありました。
来年も多分、色々なことがあるのだと思います。
今年旅立っていったスタッフさんたちにも
きっと色々なことがあるのでしょう。
もちろん、これを読んでくれている
読者の皆さんにもね☆
期待と不安。
どっちが多いかは分からないけど
なんにしても2010年が
ど〜か良い一年になりますように……
それでは、また来年!